街を散策していると、建物の解体跡地に出くわすことがある。「あの建物のあった場所だ!」と思い出せればいいけれど、「なにがあった場所だっけ?」となることも多い。あなたの街にも、そんな場所があったと思う。
そんな場所に出くわしたとき、解体中・解体後に関わらず、私は写真を撮るようにしている。それは「日常の記録」の一遍として。または「日常の記憶」の補助として。もしくは「日常の感傷」の反動として。写真って、そもそもそういう面もあるよね。
そうやって写真を撮り続けて、どんどん枚数が増えて行くにつれ、面白いものが写っていることに気がつく。普段は露出していない壁や塀、建設時に露出を想定されていない建物の側面が、このときばかりは人目に晒されている。普段は見えないが故に美醜を気にせず通された配管やエアコンのホース、粗く修繕された跡など、それぞれ特徴があってとても面白い。採光のためではない小さな窓も、こうやって見るとかわいいでしょ?
このことに気づいて、改めて「日常の写真」を積み重ねることって楽しいと思った。積み重なっていくことで、そこから共通のテーマを見出して増幅させていくこともできる。なんていうのは、写真を撮り続ける言い訳かもしれないけど。
東京閑地 | TOKYO VACANCY
いくつかお気に入りの写真をお裾分け。
台東区根岸
台東区根岸
台東区下谷
台東区日本堤
新宿区四谷三栄町
台東区下谷