近所の写真を撮る。
この写真は2015年頃(だと思う。曖昧)の谷中・千駄木にて、とある路地をよみせ通り側から不忍通り方面へ眺めたもの。
すごくすごーく久しぶりにフィルムのスキャンを再開した。現像もスキャンもお店に任せてしまおうか、という検討は何度かしてきた。でも時間はないにしろ、写真に触れる機会を減らすのは控えることにした。
永井荷風と散歩
今、永井荷風の文庫本をポケットに忍ばせて、通勤や昼休みに読んでいる。街の美しさの捉え方について共感する部分がとても多い。例えば路地について。
(前略)路地を通り抜ける時試みに立止って向うを見れば、此方は差迫る両側の建物に日を遮られて湿っぽく薄暗くなっている間から、彼方遥に表通の一部分だけが路地の幅だけにくっきり限られて、いかにも明るそうに賑かそうに見えるであろう。殊に表通りの向側に日の光が照渡っている時などは風になびく柳の枝や広告の旗の間に、往来の人の形が影の如く現れては消えて行く有様、丁度燈火に照された演劇の舞台を見るような思いがする。夜になって此方は真暗な路地裏から表通の燈火を見るが如きはいわずともまた別様べつようの興趣がある。(中略)かくの如き光景はけだし逸品中の逸品である。
永井荷風 - 日和下駄「第七 路地」
次の章では閑地(空き地)についての章もあり、明治・昭和に自分の生き写しを見ているような感覚にも陥る(※もちろん容姿も似ていないし育ちも全然違うのだけど)。他の章も艶のある文章ばかりで写欲が掻き立てられる。おすすめ。
荷風随筆集 上 日和下駄 他十六篇 (岩波文庫 緑 41-7)
- 作者: 永井荷風,野口冨士男
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 1986/09/16
- メディア: 文庫
- 購入: 1人 クリック: 12回
- この商品を含むブログ (12件) を見る
閑話休題
いろんな人が見に行って感銘を受けているようだし、自分のテーマともばっちり重なっているので、そろそろソール・ライター展を観覧に行きたいなぁ。と思っていたら、今週末で終わってしまう。やばい。終了目前は込むだろうなぁ……
そして、「はらぺこあおむし」が気に入ったらしい息子のために、世田谷美術館のエリック・カール展に家族で行く約束もあるのだ。こちらは来週末まで開催しているけど、今週末までに行くと誕生日記念ステッカーを配布しているらしい。(エリック・カールは6月25日が誕生日、88歳!)
土曜日は久しぶりに単独行動するのでソール・ライター展へ、日曜日はエリック・カール展へとなるような予感の今週末。皆様いかがお過ごしでしょう。
www.bunkamura.co.jp/museum/exhibition/17_saulleiter/
ericcarle2017-18.com/
会期後にページ削除したりドメイン手放したりするなよな!と思う。(2019/07/09)