はせる

は・せる、馳せる

長靴をはいて外に出る(2022W20)

 梅雨は憂鬱だ。みたいなことを先週書いていたけど、土曜日の土砂降りの中、私は飛鳥山公園にいた。

2022W20 (2022-05-16 / 2022-05-22)

 「梅雨の湿気に気持ちまで湿気る」と書いたけど、「湿気る」と「ずぶ濡れ」は引き起こす感情が違った。遠くの景色が霞むほどの土砂降りの中に佇んで、雨宿りする人たちを認めながら、雨水が小川を作り砂を運んで行く様子を眺めたりするのは、なかなかの高揚感を覚えた。長ぐつを履いて外に出ることも、選択肢のひとつとして検討していいかもしれない。選択肢が増える、と考えると、とてもポジティブな感覚になる。

 もう一個、ポジティブな感覚の根源として、昨年11月からぼちぼちと読み続けている「日常生活に埋め込まれたマイクロアグレッション」が、最終章に差し掛かった、ということがある。こういった系統の本は読むペースが遅くなって、さらには読む動機にも影響してしまうので、全体的に時間が掛かる。ようやく見えてきた終わりに気持ちが軽やかになっていく。
 ただ、例によって積ん読は十分にあるので、それらを消化しきるには時間が足りない。

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最近のメモから

 雑記。

  • いい気候だ、と思っていたらもう暑い
  • 方言「いずい/いづい」にフォーカスを当てる乃木坂46ANN
  • 『誰かに幸せにしてほしいのならば、誰かの幸せを祈りましょう。』
  • 東京都は条例によって店内禁煙を選択するお店が増えたけど、禁煙のお店が歩道に面した入口に灰皿置いてお客さんに喫煙させてるのって、なんかおかしくない?お店の利用者じゃなく、歩行者が(お店の前を通るタイミングだけなんだけど)受動喫煙している状況。
  • 映画『仄暗い水の底から』を再視聴したいと思っている
  • 映画『牛首村』も見たいと思っている
  • 『言葉遣いや単語は認知を形作る』
  • はてなブログProのプランを2年コースに変更した。半年ほど解約時期はあったけど、2016年からはずっと1ヶ月コースで継続していたので、いい加減変更しようと考えていたんだけど、なんとなく先延ばしにしていた状況だった。1個気持ちが軽くなった。

 昨年からちょっと気になっているアーティスト「ポップしなないで」。「夢見る熱帯夜」の季節が来たのでアルバムを聴いているんだけど、Apple Musicの歌詞見ながら聴いてたらすごいなーと思った。

www.youtube.com

Creation

Creation

  • ポップしなないで
  • ロック
  • ¥255

揺れる

縁日で気分転換(2022W19)

 縁日に屋台が並ぶ様子を見ることも、なんとなく気分転換にはなった。

2022W19 (2022-05-09 / 2022-05-15)

 梅雨の気配と暗いニュースに、今ちょっと気分が落ちており、日常で気分を保つように努める、ことって結構大事だな、と思った。
 梅雨の湿気に気持ちまで湿気ると、重たくなって落ちてしまって塞ぎ込んでしまうかもしれない。一方で高揚しすぎても、自分から悪い出来事を招きかねない。たまたまスイッチが負の方に続けて切られていって、極端な選択をしないように。ピンボールのように弾かれて、外に飛び出してしまわないように。

 できるだけ気分の上昇・下降の範囲を一定に保ちたい。これはたぶん、「精神状態の安定」と置き換えてもいいかもしれない。以前、育児に関連して以下のツイートをメモしてあったことを思い出した。

 最近「自分で自分の機嫌を取る」という言葉も聞くけど、これも同じことだと思う。気分が落ちているときは、予め考えておいた4つの中からすぐにできることをする。またはそれらをしている自分の姿を思い浮かべるだけでも、少しは効果がありそうだ。

 4つ。当然、自分ならなんだろうか。と考えるわけだけど、メモには結局1つしか捻り出せていなくて、『写真撮影の「ゾーン」に入る』とだけ書いてある。私にとっての「写真を撮る」という行為が、見たものの記録だけではないということの表れでもあるなあ、と思った。
 で、改めて他になにがあるか考えてみると、『大袋のお菓子を一気に全部食べる』もアリだと思ったけど、4つまではまだ至らず。他にも「あー、まあそれもいいよねー」ぐらいの内容はぽつぽつ思い浮かぶんだけど、だいたいが独り時間に関連するものばかりだった。ちょっと前に『ストレスを管理するために』というくだりでも同じようなことを書いているので、きっと私は独り時間が絶対的に必要なタイプの人間ということなんだろう。

 なんていうことを書いていたら気分が戻ってきた。

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阿佐ヶ谷定点観測

 「記憶の書架」に手をかける。古い写真を取り上げ、埃を払い、記憶を辿る過程で、現在に照らし合わせながら整理整頓する試み。
 今回は13年前、2009年5月17日(日)の写真。場所は杉並区阿佐谷北、中杉通りの歩道橋の上。阿佐ヶ谷定点観測シリーズのひとつ。

阿佐ヶ谷定点観測 2009/05/17 15:30

 カメラはHASSELBLAD 500C、レンズはPlanar C80mm F2.8、フィルムはFUJICOLOR PRO 400、とメモしてある。

 当時は思い立ったら、早朝、昼間、夕方、夜、雨の日でも、この歩道橋の上から同じ構図になるように写真を撮り続けていた。期間としては2009年4月から2010年12月までの1年半以上、毎月とはならなかったけど、最終的に23枚の写真がある。
 中杉通りの季節のサイクルが、早朝の静けさ、昼間の木漏れ日、夕方の日差し、夜の灯り、雨の水溜まり、といった日常の美しいものと一緒に写真に残る。それらに加えて道路脇に停まっている車や横断歩道を渡る人など、同じ構図だけど全く同じ写真にはならないので、どんどん増えていく写真をスライドショーにして眺めるのが楽しかった。
 定点観測であるからこそ、並べてみたときに構図の中に主役というものがなく、「構成する要素すべて」を見ること、見比べることになるのかな、と考えた。今。

 このシリーズがなにを切っ掛けに始まったか、詳しいことは憶えていない。ただ、デジタル一眼レフ(当時はCanon EOS Kiss Digital N)を使って同じ場所から撮った写真があり、その1ヶ月程あとに定点観測の最初の1枚目になる写真を撮っていて、これらを比較するのが楽しかった、というのが理由のような気がする。単純。あとはハッセルブラッドが同じ構図で撮れるようにセッティングすることが楽だった、というのもあるかもしれない(歩道橋の手すりに置いて、グリッドスクリーンのセンターラインと道路のセンターラインを重ねる)。

 この定点観測シリーズ、ポイントは下記4つに集約できると思った。

  • 同じ構図にすること
  • 季節がわかる要素を入れること(本当は通行人などの人も入れたい)
  • 撮影する場所で暫くじっとしていても交通の邪魔にならないこと
  • 継続すること

 この中でも一番大事なことは、継続して写真の枚数を積み重ねていくことだと思う。雨にも負けず、風にも負けず、雪にも夏の暑さにも負けぬ、丈夫な身体*1と意欲と根気。それが当時はあったんだなあ(今も健康なんだけど)。

 構成する要素は全く同じにはならないけど、今住んでいる近くで新しく始めるなら桜の木を構図に入れることができるあそこだな、と候補地は既にある。
 じゃあいつ始めるの。もうちょっと先かなあ。

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文化に触れる生活(2022W18)

 明正堂書店アトレ上野店が閉店する。

2022W18 (2022-05-02 / 2022-05-08)

 しおさんのブログにてその情報を知り、翌日ちょうど上野周辺で過ごす予定だったので立ち寄った。5月10日21時をもって閉店とのこと。

unir.hateblo.jp

 明正堂書店はそこそこの大きさもあり品揃えにも満足していたので、上野近辺にふらっと来たときや退勤する時間にも立ち寄れる書店として重宝していた。寂しい。アメ横にも店舗があるようだけど、そちらには行ったことがなく、私の生活パターンではふらっと寄れる位置でもない。アトレ上野店がなくなってしまうと、上野駅の本屋は構内のブックコンパス*1のみになってしまう(明正堂よりやや小さい)。他に台東区内のそこそこ大きい書店というと、浅草ROXのリブロぐらいしか思いつかない。中型・大型店は他にあったっけ?そもそも浅草は生活圏ではないんだけど。
 これは私の生活圏だけの話ではなく、赤坂や八重洲でも書店が閉店していく。記事によれば、この20年で全国の書店の数は半分近くまで減少しているようだ。

www.seventietwo.com

 書店は文化インフラであり、その街の文化水準の現れ(のひとつ)である。というようなことを、以前どこかのブログか記事かで読んだ記憶がある。
 書店などの実店舗を利用する一方で、雑誌も漫画も、さらには映画もアニメも音楽も、今は電子書籍や配信で読んだり観たり聴いたりもする。これはとても便利ではあるけど、この先のことを考えると良いことなのか悪いことなのかはわからない(当然実店舗の売上げには影響するだろうし、電子書籍しかない世界は権力による禁書・焚書が簡単にされてしまうのではないか、と考えるとダメな気がしている)。ただ、書店がなくなっていくということについては、やっぱり間違いなく寂しいのである。この点、行動や考えに矛盾があるようでムズムズする。

 台東区には気になる書店が2つある。どちらも私が引っ越してきたあとで開店した書店だけど、行ってみたいなあ、と思いつつ、まだ行っていない。ひとつは千束の遊廓専門書店・カストリ書房、もうひとつは根岸の幻想系古本屋・古書ドリス。どちらも特徴のあるコンセプト書店だけど、仕入れセンスや特定ジャンル特化のような強みのある書店は、その周辺に住む人以外もファンとして定着するんだろうなあ。行ったら確実に「好きになっちゃう~*2」だろうけど、最初の一歩がまだ踏み出せていない。

 一般雑誌などを扱う新刊書店も鶯谷駅前に欲しいという思いが募って、もし書店を開店するとしたら、という妄想をしている。場所は北口・南口どっち側で、どういった品揃えにするのか。客層はどのようになるか、人々を観察する必要もある。根岸には子規庵、書道博物館、日本詩吟学院があるのでその関連書籍も置くべきだな。売上げを気に掛けるなら、地域柄成人向けの雑誌は置かねばならないだろうか。その場合のゾーニングをどうするか。とか。
 こういう妄想はちょっと、というか、とても楽しい。

*1:元ブックエキスプレス

*2:シソンヌ

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