はせる

は・せる、馳せる

慣れてきた頃が気の緩む頃

 会社が4月初旬に在宅勤務を基本とする方針となって、初めて在宅勤務を経験した。その後、6月中旬頃に「推奨」となるまで家で仕事をしていて、在宅勤務が妻の負担にもなることがわかったので、以降は出社している。出勤に使うのは山手線と中央線といういかにも混みそうな路線だけど、コロナ禍を過ごす今はそうでもない。これはきっと在宅勤務に適した職種・役職・状況の人が、在宅勤務を続けてくれているからだ。
 東京ではコロナ禍以前でもマスクをする人が多かったけど、今ではすれ違う人の誰もがマスクをしている。ビルやスーパー、飲食店などの入口では消毒用アルコールスプレーが置かれることが普通になり、自分のために、他の人のためにと、消毒をする。

 「新しい生活様式」にも慣れてきたような気がする。けれども、慣れてきた頃が気の緩む頃。振り返って、直すべきところは直そうと思った。

 今年はお互いに忘れていたんだけど、結婚式を挙げた日はもう過ぎていた(入籍日は別日)。気がつけば、結婚式からはもう7年が過ぎた。「結婚生活」には慣れた気でいる。でも、慣れてきた頃が気の緩む頃。振り返って、直すべきところは直そうと思った。

前を向いて手を振って

 幼稚園では今年、「運動会」は「スポーツデー」という名称に変わり、クラス毎個別に催された。

 練習期間中に「がんばって練習してますよ」「自主練してます」「役割をお願いしました」とか先生に言われたことを、妻を通して聞いていた。実際に様子を見ても、友達との自然なやりとりを垣間見ることができたり、去年よりもちゃんと前を向いて手を振って走っているなぁとか、がんばっていることがちゃんとわかって、見ていて感傷的になった。校庭でやった運動会よりも距離が近く、個別なので見やすいということもあったかもしれない。

 本来の形ではない運動会。祖父母や来賓など参加者を制限せざるを得ない形の行事。新型コロナにより失ったものと得られたもの、たぶん、両方あったんだろう。失ったものの方が圧倒的に多い気はするけど、嘆いてもどうしようもない。得られたものを活かすことで、未来をよりよいものにしていければいい。……気の利いたまとめの言葉を思いつかなかった。オスオース!

誰かのために、パスタをゆでる

 台所に立つ。ストックの棚から8分ゆでのパスタを取り出す。

 深型のフライパンにたっぷりと水を張って火に掛け、iPhoneでジャズのプレイリストを再生する。水が沸騰するまでに、流しに置いてある洗い物を片付けてしまおう。

 沸騰したら塩をひとつまみ入れて、パスタ2束を投入、キッチンタイマーは10分に設定してスタートする。袋に書いてあるゆで時間と違うのは、前回、同じパスタを時間通りゆでたときには堅すぎたので、2〜3分延長したノウハウを活かしているため。元々書いてあるゆで時間はアルデンテで仕上がるのか、ちょっと固めだな、と思うことが多い。お湯の量や火力にもよるのだろうし、まあ大人はそれでもいい。ただ、小さい息子がいる今では、咀嚼しやすいように、とか、そういった理由から柔らかめにしたいと思うようになった。

 タイマーが残り1分を切ったら、パスタをトングで1本取り出して咀嚼してみる。うん、大丈夫そうだ。鳴ったらタイマーを止め、パスタをザルにあける。軽くお湯を切ってフライパンに戻し、市販のパスタソースと絡める。この日はナポリタンだった。まんべんなく絡めたら、グラムを計りながら息子のお皿に分け、残りを妻と半分に分けて、いただきます。

 独り身のときはアスパラガスのアーリオ・オーリオとかを気取って作っていたけどな。「けどな」? いや、別に今でも作れるな。辛くしなければ息子も食べられるかもしれない。どうアレンジできるだろう。気に入ってくれたらいいな。

トラックボールころころ

 もう10年以上トラックボールを使っている。今、「トラックボール?」となった人は、まあまあいるのかもしれない。すごく簡単に言えば、マウスをひっくり返したような形のやつ(といっても、ボール式のマウスを見たことがない人も今はいるのかな……)。

 一時期入力デバイスにこだわっていたことがあって(そういえば最近、「マツコの知らない世界」でキーボードが取り上げられていたねえ)、その頃はHHKBとか、今も使っているRealForceとか、単価1万円を超えるデバイスを使っていた(良いものは打鍵感がよく、さらに疲れにくい)。キーボードは何個か変遷するものの、ポインティングデバイスは一貫してケンジントンのExpertMouseトラックボールを使い続けている。トラックボールのなにがいいかって、手は動かさず指だけでポインタを動かせるところと、ポインターの移動にボールの慣性が使えるところ。手を動かす範囲が狭ければ、そのぶん疲れにくくもなるはず。

 キーボードもマウスも、やっぱり人それぞれ使いやすい(、あと疲れにくい)ものはあって、日常的に使うものにはよりいいものを検討する時間やお金をかけるという判断は正しいと思う。なんて考えているのは、今日ケンジントンの新製品発売の記事を目にして物欲を刺激されたからである。物欲。

japanese.engadget.com

© 2012-2024 Daisuke YAMAMOTO