はせる

は・せる、馳せる

2023-249 掬う

 2023年9月6日、水曜日。水星が内合。

 知らない人の本の感想を読んで、たまたま私もその本を読んでいて、「あれ?なにが起こったか想像できていない……?」と思った。「いなくなること≒死」をオブラートに包み込んだような物語だったので、まあ気づかないこともあると考えられなくもないが*1。いや、そもそも私が着地した答えも正しいかはわからない。なんせ物語の中には正解は書かれていなかったと記憶している。
 そこから、その本だけでなく、これまで読んできた本で、著者が思い描いた背景や伏線をどのぐらい掬い取れているのかについてを考えて、余計な無力感に襲われている。

 昼休み、公園で日記本を静かに読んでいると、視界の隅で動くもの。公園に置かれた町会物置の下の隙間からネズミが出てきて目が合った。「あら」と思って固まっていると、ネズミは遠慮がちに出てきたところへ戻っていった。なんとなく、気持ちがわかった気がする。

*1:こんな言い回しになってしまうのはどうしてか、察してほしい。

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