はせる

は・せる、馳せる

夢と幻想の森

 「記憶の書架」に手をかける。古い写真を取り上げ、埃を払い、記憶を辿る過程で、現在に照らし合わせながら整理整頓する試み。
 今回は9年前、2013年5月26日(日)の写真。場所は北区西ケ原にある旧古河庭園"forest of dreams"シリーズのひとつ。

forest of dreams (36)

 カメラはHASSELBLAD 500C、レンズはPlanar C80mm F2.8、フィルムはFUJICOLOR PRO 400、とメモしてある。

写真のこと

 撮った写真をザッと振り返ってみると、花や木、木漏れ日など自然を写した写真がそこそこあり、中でも構図上「鬱蒼とした森」のような(そう見える)写真を多く撮っていることに気がついた。葉擦れの音を聞いたり、それに伴って踊る木漏れ日に包まれることが好きだったからだと思う。
 それと、写真を趣味として認識していく中で、村上春樹の小説、『世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド』や『海辺のカフカ』などを読んで、物語に登場する森(と、それが孕む孤独)に魅了されたことも、大きな影響になったのは間違いない。

 Flickrでそれらをアルバムにまとめてみると、なんだか安らぎを感じて、そこからなんとなく始まったシリーズだったと思う。
 あと、FUJICOLOR PRO 400は特性として緑色が鮮やかえに出るフィルムだったので、そのことも強みとして働いたんだなあ、と改めて考えた。

 日差しに透ける葉っぱなどは今でも撮ったりしているので、このシリーズも折を見て再開するのもいいと思った。

記憶を辿る、考察と補填

 場所は旧古河庭園Wikipedia)の馬車道。このとき確か隣には妻がいて、入籍から2ヶ月ぐらいの頃。たぶんこのときもバラフェスティバルの開催中で、バラアイスを食べたり、バラ柄の手鏡を買ったり(今も使ってくれている)、よく行っていたことを思い出す。なんとなく行かなくなってしまい、もう4年ぐらい経ってしまった。

 旧古河庭園都立庭園のひとつ。今、春のバラフェスティバルが3年振りに開催されている真っ最中であり、バラの名所なんだけど、ここではあえて庭園の魅力も知っていただきたい。旧古河邸と同じ上段には西洋庭園が広がり、中段はバラ園、下段には日本庭園と心字池がある。庭園に高低差が付けられていて、上段からバラ園と日本庭園を見下ろしたり、下段からジョサイア・コンドルが設計した西洋館を見上げるなど、それぞれお気に入りのビューポイントがきっと見つかるはず(バラフェスの時期には、ライトアップされることもある)。

www.tokyo-park.or.jp

 あと、元々の土地所有者であり、この地で亡くなった陸奥宗光Wikipedia)は、台東区根岸に居宅が現存し、今も一般住宅として使用されている。これもなにかの縁。


余談

 シリーズタイトルの元ネタは、大沢伸一プロデュースでデビューした信近エリのファーストアルバム『nobuchikaeri』に含まれるインストのインタールード。曲としては対となる「Desert of Dreams」の方が好きなんだけど、タイトルが写真にドンぴしゃだと思って拝借した。

Forest of Dreams(Intro)

Forest of Dreams(Intro)

Desert of Dreams(Interlude)

Desert of Dreams(Interlude)

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