僕はいつも"Voss&Kompani"のブレスレットを右腕に着けていた。僕が着けていたものは約400年前の針金工芸の技術を用いているもので、相方のHASSELBLADと同じスウェーデンのもの。革と針金を使った細身のブレスレットで、かなり気に入っていた。
今週月曜日の朝、そのブレスレットが無くなっていることに気がついた。前日の夜に酒を飲んで帰ってきたので、部屋に戻ってきてから外したのかを覚えていない。しかし、着けて出たことは間違いない。部屋の中は隈無く探したつもりなので、帰ってくる途中で無くしたんだろう。すごく残念に思った。
しかし、月曜日に目が覚めたとき、配管の詰まりが取れたように頭の中がすっきりしていた。不思議なことに、それが火曜も水曜も今日も続いている。まるで憑き物が落ちたようだった。
東京に出てからの3年間で積もりに積もった僕の中の悪いもの、あのブレスレットが全てを持ち去ってくれたのかもしれないな、なんて考えている。ありがとう。
