ぬいぐるみの思い出。
一番古い記憶では幼稚園に入るよりも前、デフォルメされたゾウさんのぬいぐるみを気に入って連れ歩いていたことを憶えている。将来なりたいものとして「ゾウさん」とか言っていたような記憶もある。なぜそんなに気に入っていたのか明確には憶えていないけど、そのぬいぐるみを見つめたとき、抱きしめたときのことを想像してみると、たぶん、当時の私にはかわいくてたまらなかったんだと思う。
次に、たぶん幼稚園に入るぐらいの頃、ドラえもんのぬいぐるみのことを思い出す。ドラえもんが大好きだったかというと、それほどではない。アニメの方のドラえもんを忠実に再現していて、感触はそんなに柔らかいものではなく、むしろぬいぐるみにしてはしっかり堅めの感触で、それが逆に抱き心地がよかったという記憶があり、こちらもよく連れ歩いていた。
一度、家族で出かけたときに、手元が狂って橋の上から小川に落としてしまったことを、今でも憶えている。水量が少ない整備された川だったこと、すぐ近くに川に降りられる足場があったことで、母親が拾いに行ってくれて運よく手元に戻ってきてくれた。
私が記憶している限りでは、この2つしかない。しかも、どのように手放したのかという記憶がない。小学生に上がった頃にはぬいぐるみへの興味が薄れ、かわいいものを見てテンションが上がることがあれど、今でも自分用にぬいぐるみを買おうとはならない(と言いつつ、アルバルク東京のマスコット、ルークにはかなり心を持って行かれている)。
一方、息子はたくさんのぬいぐるみを所有していて、中でも一番古い付き合いになるのはファミリアのファミちゃんのパペットである。乳幼児の頃からになるのでもうくったりしていて、お風呂に入っても(洗濯しても)少し黒ずんでいる。ぬいぐるみを見て「愛されているなぁ」と思う。息子にとっては友達であり、「ライナスの毛布」でもあるんだろう。
この週の日曜日、「ぬいぐるみのおとまり会」というイベントがあり、ファミちゃんのパペットを送り出した。ぬいぐるみを預けて、その間にぬいぐるみが体験したことを写真などで事後に知るというもの。事前アンケートで性格などを回答して、それによってストーリーや他のぬいぐるみとの交流が演出される。
今回のイベントは夢の島熱帯植物館に2泊3日お泊まりするもので、他にも同様のイベントが図書館などでも行われている。年齢の制限はなく、出発するぬいぐるみたちを見送るために預けたあとも近くで様子を伺っていると、大人や高校生ぐらいの人がぬいぐるみを送り出しに来ていた。きっとみんなそれぞれ思い入れがあるぬいぐるみなんだろうなぁ、と想像する。