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阿佐ヶ谷住宅の31と30

 「記憶の書架」に手をかける。古い写真を取り上げ、埃を払い、記憶を辿る過程で、現在に照らし合わせながら整理整頓する試み。
 今回は13年前、2009年6月7日(日)の写真。場所は杉並区成田東にあった阿佐ヶ谷住宅

31&30

 カメラはCanon EOS Kiss Digital N、レンズはEF 28mm f/1.8 USM、とメモしてある。

写真のこと

 Canon EOS Kiss Digital N(以降、キスデジN)の時代。私のカメラ遍歴は、コンデジを除くとキスデジNから始まる。2006年末に標準ズームレンズキットで購入して、1年経たないうちに今も使用しているEF 50mm F1.4 USM、次にEF 28mm F1.8 USMの順で揃えていった。
 この写真を見て、今ならもうちょっと違う構図を考えて撮るかな、と思ったりする(笑。当時は真四角の写真ばっかり撮っていたので仕方ない。という言い訳。

 これはほぼ余談だと思うんだけど、この写真、EXIF情報を見るとF値を3.2で撮っている*1。メカニカルな機構を持つレンズだと、F値の最大解放が2.8とすれば、1段ずつ絞っていくと3.5、5.6、8、11、16、22と変化していく。その段階に慣れてしまうとデジタル一眼レフでもこの設定値を使うようになるので、その上でこの値を見ると「3.2ってどうよ?」と思ってしまう。ずっと自覚していたけど、この感覚を文章にするのはたぶん初めてのこと。個人の感想です。

記憶を辿る、考察と補填

 阿佐ヶ谷住宅Wikipedia)とは日本住宅公団が整備した中層集合住宅とテラスハウスからなる団地、だった。『日本の不思議な建物101』という本を読んだことが切っ掛けで、なんかいろいろと思い出した。

 阿佐ヶ谷に住んでいて、且つ写真を趣味としている。だからといってすぐに阿佐ヶ谷住宅に行くかというと、まあ実際そうでもなく、写真を趣味と認識してから暫く経ってのことだった。写真友達など当時仲良くしていた人と一緒に散歩したり、ちょっとしたピクニックみたいなことをしたり*2、自転車を購入してからはこの写真の広場で休憩することもあった。写真を撮る人たちにはちょっと名の知れた場所ではあったけど、純粋に落ち着く場所であり、不思議な吸引力を感じる場所だった。

Untitled

 南阿佐ヶ谷駅方面から向かうと、古めかしい外観の給水塔が迎えてくれていた。この給水塔も阿佐ヶ谷住宅もすでになくなっていて、今はすべて取り壊されて再開発され、中低層マンションとテラスハウス群になっているようだ。

booklog.jp

*1:同じ日の写真を見ると、微妙な値はこの写真だけなので、ダイアルに間違って触れてしまった可能性が高い。

*2:友達に阿佐ヶ谷住宅の住人は一人もいないので、いけないことである。

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走ることについて教えるときに(2022W21)

 運動が楽しければ、まずはそれでいい。

2022W21 (2022-05-23 / 2022-05-29)

 週末の運動会では一緒に走っている子を気にしてよそ見をし、案の定4人中4位という結果だった。そもそも息子はそんなに足が速くない。走り方にまだ改善の余地有りと見ているので、以前もやってはいるんだけど、もう一度レクチャーの時間を設けねばならないと思った。
 私は中学時代に一応陸上部(短距離、走り高跳び)だった。入賞するほど速くはなかったけど、それでも息子の走り方を見ていて改善すべきポイントはなんとなくわかる(むしろそういう段階の走り方をしているってこと)。

 一緒に公園に行くときは「野球やりたい!」が切っ掛けになるんだけど、バットを振ったりボールを投げたり、野球でも練習というよりは1対1のゲームをやりたがる。そんな状態で走り方を、ふとももを意識的に上げて、手の振り方はこんな感じで、とあれこれ教えてもなかなか上手く吸収してくれない。楽しいことに織り交ぜたり、もっと簡単なことからじゃないと始まりすらしなそうだ。

 さて、自分の部活経験を振り返ってみると、まあ、私も練習は好きじゃなかったんだよね。それでも、息子も私も運動が嫌いなわけではないので、私が教え方や練習方法を勉強しつつ、徐々に吸収していってくれたら嬉しい。

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夢と幻想の森

 「記憶の書架」に手をかける。古い写真を取り上げ、埃を払い、記憶を辿る過程で、現在に照らし合わせながら整理整頓する試み。
 今回は9年前、2013年5月26日(日)の写真。場所は北区西ケ原にある旧古河庭園"forest of dreams"シリーズのひとつ。

forest of dreams (36)

 カメラはHASSELBLAD 500C、レンズはPlanar C80mm F2.8、フィルムはFUJICOLOR PRO 400、とメモしてある。

写真のこと

 撮った写真をザッと振り返ってみると、花や木、木漏れ日など自然を写した写真がそこそこあり、中でも構図上「鬱蒼とした森」のような(そう見える)写真を多く撮っていることに気がついた。葉擦れの音を聞いたり、それに伴って踊る木漏れ日に包まれることが好きだったからだと思う。
 それと、写真を趣味として認識していく中で、村上春樹の小説、『世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド』や『海辺のカフカ』などを読んで、物語に登場する森(と、それが孕む孤独)に魅了されたことも、大きな影響になったのは間違いない。

 Flickrでそれらをアルバムにまとめてみると、なんだか安らぎを感じて、そこからなんとなく始まったシリーズだったと思う。
 あと、FUJICOLOR PRO 400は特性として緑色が鮮やかえに出るフィルムだったので、そのことも強みとして働いたんだなあ、と改めて考えた。

 日差しに透ける葉っぱなどは今でも撮ったりしているので、このシリーズも折を見て再開するのもいいと思った。

記憶を辿る、考察と補填

 場所は旧古河庭園Wikipedia)の馬車道。このとき確か隣には妻がいて、入籍から2ヶ月ぐらいの頃。たぶんこのときもバラフェスティバルの開催中で、バラアイスを食べたり、バラ柄の手鏡を買ったり(今も使ってくれている)、よく行っていたことを思い出す。なんとなく行かなくなってしまい、もう4年ぐらい経ってしまった。

 旧古河庭園都立庭園のひとつ。今、春のバラフェスティバルが3年振りに開催されている真っ最中であり、バラの名所なんだけど、ここではあえて庭園の魅力も知っていただきたい。旧古河邸と同じ上段には西洋庭園が広がり、中段はバラ園、下段には日本庭園と心字池がある。庭園に高低差が付けられていて、上段からバラ園と日本庭園を見下ろしたり、下段からジョサイア・コンドルが設計した西洋館を見上げるなど、それぞれお気に入りのビューポイントがきっと見つかるはず(バラフェスの時期には、ライトアップされることもある)。

www.tokyo-park.or.jp

 あと、元々の土地所有者であり、この地で亡くなった陸奥宗光Wikipedia)は、台東区根岸に居宅が現存し、今も一般住宅として使用されている。これもなにかの縁。

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長靴をはいて外に出る(2022W20)

 梅雨は憂鬱だ。みたいなことを先週書いていたけど、土曜日の土砂降りの中、私は飛鳥山公園にいた。

2022W20 (2022-05-16 / 2022-05-22)

 「梅雨の湿気に気持ちまで湿気る」と書いたけど、「湿気る」と「ずぶ濡れ」は引き起こす感情が違った。遠くの景色が霞むほどの土砂降りの中に佇んで、雨宿りする人たちを認めながら、雨水が小川を作り砂を運んで行く様子を眺めたりするのは、なかなかの高揚感を覚えた。長ぐつを履いて外に出ることも、選択肢のひとつとして検討していいかもしれない。選択肢が増える、と考えると、とてもポジティブな感覚になる。

 もう一個、ポジティブな感覚の根源として、昨年11月からぼちぼちと読み続けている「日常生活に埋め込まれたマイクロアグレッション」が、最終章に差し掛かった、ということがある。こういった系統の本は読むペースが遅くなって、さらには読む動機にも影響してしまうので、全体的に時間が掛かる。ようやく見えてきた終わりに気持ちが軽やかになっていく。
 ただ、例によって積ん読は十分にあるので、それらを消化しきるには時間が足りない。

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最近のメモから

 雑記。

  • いい気候だ、と思っていたらもう暑い
  • 方言「いずい/いづい」にフォーカスを当てる乃木坂46ANN
  • 『誰かに幸せにしてほしいのならば、誰かの幸せを祈りましょう。』
  • 東京都は条例によって店内禁煙を選択するお店が増えたけど、禁煙のお店が歩道に面した入口に灰皿置いてお客さんに喫煙させてるのって、なんかおかしくない?お店の利用者じゃなく、歩行者が(お店の前を通るタイミングだけなんだけど)受動喫煙している状況。
  • 映画『仄暗い水の底から』を再視聴したいと思っている
  • 映画『牛首村』も見たいと思っている
  • 『言葉遣いや単語は認知を形作る』
  • はてなブログProのプランを2年コースに変更した。半年ほど解約時期はあったけど、2016年からはずっと1ヶ月コースで継続していたので、いい加減変更しようと考えていたんだけど、なんとなく先延ばしにしていた状況だった。1個気持ちが軽くなった。

 昨年からちょっと気になっているアーティスト「ポップしなないで」。「夢見る熱帯夜」の季節が来たのでアルバムを聴いているんだけど、Apple Musicの歌詞見ながら聴いてたらすごいなーと思った。

www.youtube.com

Creation

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  • ポップしなないで
  • ロック
  • ¥255

揺れる

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