はせる

は・せる、馳せる

鳩を見る

 仕事中に鳩が見える。

 短時間強雨のようにザッと雨が降ると、会社のベランダの柵に、鳩が雨宿りに来ることがある。仕事中、見ていてなんとも心癒やされる光景だと思う。「創世記」を起源としてはいるものの、一般的にも鳩は平和を象徴するシンボルだし。
 ただ、視界の中に動くものが少ないとき、周辺視野に動くもの急に入ってくると、サッとそれに視線をやってしまう癖が私にはあるので、どうしても鳩を見てしまう。一度見て鳩だと確認した上でも、また動くと見てしまう。別に、鳩は悪くないし、糾弾したいとも思っていない。だって鳩だし。ねえ。鳩らは雨が止むのを待っているだけだ。止んだか、止んでいないか、を鳩が伺っている。なんとかして見ないようにしようにも、モニタの右上隅の、その先に鳩はいる。これでは周辺視野に入れない、ということができない。鳩は自己主張こそしないが、時々動く、見る、鳩だ。何度見ても鳩なんだ。あはは。

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