はせる

は・せる、馳せる

そして時は過ぎて行く

mirroring me (33) / side of me.

(前略)僕はもう一度ソファーに座り、暗闇と沈黙の中で少しずつ自分の人生のかけらをかきあつめた。たいしたものは集まらなかったけど、少なくともそれは僕の人生だった。そしてゆっくりと僕は僕自身に戻っていった。僕が僕自身であることは他人にはうまく説明できない。それにたぶん誰の興味もひかないだろう。
村上春樹 - 羊をめぐる冒険(下)

 雨が残していった滴が落ちる音と夜の虫の声しか聞こえない部屋で、僕は独り考え事に耽る。

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