はせる

は・せる、馳せる

秋晴れの朝に

 虫の話なので注意。

 会社の最寄り駅である四ツ谷駅は、外堀が近いからか自然がある。最近できた商業施設のコモレ四谷もその敷地内にまあまあの草木を有していて、この季節は虫の声がよく聞こえる。駅に着いて、どのように会社まで歩くかはその日の気分によって決める。雨なら屋根の付いたルートを含む最短距離、天気がよければ横断歩道をひとつ多く渡るルート、あえての遠回りルート、裏路地を通るルートなど、散歩コースがいくつかあるけど、どれも自然を目にすることができる。

 ある日の通勤時、裏路地でGが潰れて死んでいた。あの素早いGが、人通りも少ない裏路地で踏まれてしまう確率はいかほどか。これは、早朝通りかかった近所の人が、駆除のために踏みつけているのかな。小学生ぐらいの頃であればアリやトンボを軽い気持ちで傷つけたりもしていたけど(ザトウムシも思い出しちゃった……)、今は極力殺生をしないように心掛けている(蚊や小バエなどはしようがないとして)。でも、まあGなら駆除するか……と思ってしまう(雑菌や細菌を媒介する衛生害虫であり、且つ不快害虫というのはやっぱり大きい)。

おぼろげなカメラ

 写真を初めて撮ったときのこと。フィルムカメラを初めて触らせてもらったのは小学校低学年ぐらいのときだった。巻き上げレバーの操作が気持ちよく、フィルムが入っていないときに、巻き上げて、シャッターを切り、巻き上げて、シャッターを切り……を繰り返し遊んでいた。ファインダーを覗くのも楽しかった。ある日、奥入瀬渓流に行ったときには、実際にフィルムを入れてカメラを持たせてもらった。ただ、当時はやっぱり最短焦点距離なんて知識はなく、遠景以外はすべてピントが合っていなかった記憶がある。

 私が社会人になってから自分でデジタル一眼レフを始めたときに、母も写真が好きだったと話していた。だからたぶん、うちにフィルムカメラはあったんだと思うけど、いつの間にか姿が見えなくなっていた。どこのメーカーだったのか、それは一眼レフだったのか、全然記憶にない。でもあれが、私のフィルムカメラ初体験だったことは間違いない。

穴は埋まらないけど

 毎日書くつもりでいたのに、連休初日に書いている途中で寝落ちして穴を開けた。せめて9月中は続けてみよう……なんて考えていたので、寝落ちから目が覚めたときは気が抜けた炭酸のような感じになっていたけど、まあいいか、となった。ポジティブに考えれば、目標を設定し直して「肩の力が抜ける」ぐらいは言えるのかもしれない。まあでも、投げずに今またこうやって書いているので、(自分を)大目に見ることにする。それによって、なにかいい結果が招かれればいい。

 書くことについての考え方は「毎日書く」が途切れても特に変わっていないし、書いていない期間は自分の過去のメモを眺めてみたりもした。これまで書きたいと思ったことでも、書いていなかった・書けなかったことがたくさんある。どんどん忘れていってしまうけど、どれかを拾って埃を払い、それがなんであるかを思い起こし、改めて考え、整理する。文章を書くことはそんな試みなんだと思う。

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