不安を照らす光。

8日は上野駅で下車して、思索のための散歩をしようと思っていた。けれど、上野公園の木々の中に入っていくと、蝉の声に意識が向いて、ふと蝉の幼虫のことが頭をよぎった。地面から這い出て、木に登っていくのは、ちょうどこの時間帯だ。
少し前の日記に、「都市生活では、足元を過度に照らしながら歩くと、見たくないものまで見てしまうのではないか」と書いた*1けれど、気持ちがするっと切り替わった。「むしろ全部照らし出してやろう」。そう思い立って、私はカバンから懐中電灯を取り出した。
蝉の幼虫に出会えたら、という期待を胸に、足元を照らしながら木の間を歩く。上野公園を通り抜けるあいだに、他の昆虫や生きものにも遭遇できたらいい。そんな小さな探検のような気持ちも、どこかにあった。もちろん、「衛生害虫」との遭遇は気がかりだった。けれど、実際に出会ってみると、家の中で出くわすよりも、ずっと「ただの昆虫」に近い感覚で受け止められる自分がいた。
「見たくないものを見てしまうのではないか」という漠然とした恐れは、実際に目にしてみることで、静かに姿を消していった。歩き終えたあとの私は、思いがけず、すこし高揚していた。帰宅してから、「今度、夜の上野公園に行ってみようか」と息子を誘うくらいに、ワクワクしていた。
「足元を照らす」という行為は、夜道の安全のためだけではなく、現実の暮らしや、内面の不安にも、有効なのかもしれない。
不安というものは、得体が知れないままだと、必要以上に大きく膨らんでしまう。けれど、それをいったん光の下に置き、中身を確かめてみれば、案外向き合えるものかもしれない。それが何であるかがわかれば、次に何をすべきかが、ぼんやりとでも見えてくる。そう思えたこと自体が、この夜の大きな収穫だった。
漠然とした不安でも、いったんその輪郭をとらえてみれば、思っていたほど怖くなかったり、むしろ楽しみながら課題に向き合えるものだったりする。
これからは「不安」を感じたときこそ、その正体をできるだけ早く確かめ、「次に何をすべきか」を明らかにしておく。きっとそれだけでも、やるべきことや進むべき道は少しずつ見えてくるはずだ。
2025W28
2025W28 (2025-07-07 / 2025-07-13)
今週のうたかた
7日 月曜日(2025-188)
昼散策





8日 火曜日(2025-189)

ここから下は虫と爬虫類と両生類。
虫と爬虫類と両生類はここまで。


そういえば、入谷朝顔まつりの最終日だった。
9日 水曜日(2025-190)

10日 木曜日(2025-191)





11日 金曜日(2025-192)


12日 土曜日(2025-193)
図書館、期日前投票

図書館の建物では13日からだったので、仕方なく区役所へ向かう。
13日 日曜日(2025-194)
エクストラのお仕事。

今週の覚え書き
今週のはてな
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