はせる

は・せる、馳せる

足元を照らす (2025W28)

 不安を照らす光。

2025W28 (2025-07-07 / 2025-07-13)

 8日は上野駅で下車して、思索のための散歩をしようと思っていた。けれど、上野公園の木々の中に入っていくと、蝉の声に意識が向いて、ふと蝉の幼虫のことが頭をよぎった。地面から這い出て、木に登っていくのは、ちょうどこの時間帯だ。
 少し前の日記に、「都市生活では、足元を過度に照らしながら歩くと、見たくないものまで見てしまうのではないか」と書いた*1けれど、気持ちがするっと切り替わった。「むしろ全部照らし出してやろう」。そう思い立って、私はカバンから懐中電灯を取り出した。

 蝉の幼虫に出会えたら、という期待を胸に、足元を照らしながら木の間を歩く。上野公園を通り抜けるあいだに、他の昆虫や生きものにも遭遇できたらいい。そんな小さな探検のような気持ちも、どこかにあった。もちろん、「衛生害虫」との遭遇は気がかりだった。けれど、実際に出会ってみると、家の中で出くわすよりも、ずっと「ただの昆虫」に近い感覚で受け止められる自分がいた。
 「見たくないものを見てしまうのではないか」という漠然とした恐れは、実際に目にしてみることで、静かに姿を消していった。歩き終えたあとの私は、思いがけず、すこし高揚していた。帰宅してから、「今度、夜の上野公園に行ってみようか」と息子を誘うくらいに、ワクワクしていた。

 「足元を照らす」という行為は、夜道の安全のためだけではなく、現実の暮らしや、内面の不安にも、有効なのかもしれない。
 不安というものは、得体が知れないままだと、必要以上に大きく膨らんでしまう。けれど、それをいったん光の下に置き、中身を確かめてみれば、案外向き合えるものかもしれない。それが何であるかがわかれば、次に何をすべきかが、ぼんやりとでも見えてくる。そう思えたこと自体が、この夜の大きな収穫だった。

 漠然とした不安でも、いったんその輪郭をとらえてみれば、思っていたほど怖くなかったり、むしろ楽しみながら課題に向き合えるものだったりする。
 これからは「不安」を感じたときこそ、その正体をできるだけ早く確かめ、「次に何をすべきか」を明らかにしておく。きっとそれだけでも、やるべきことや進むべき道は少しずつ見えてくるはずだ。


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2025W28

2025W28 (2025-07-07 / 2025-07-13)

今週のうたかた

7日 月曜日(2025-188)

昼散策

重機
細い道

8日 火曜日(2025-189)

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上野駅下車

 ここから下は虫と爬虫類と両生類。

アシダカグモ、蝉の幼虫
ニホンヤモリヒキガエル

 虫と爬虫類と両生類はここまで。

夜の散策は楽し

 そういえば、入谷朝顔まつりの最終日だった。

9日 水曜日(2025-190)

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レスキュー

10日 木曜日(2025-191)

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夏っぽい雲
帰路は雨
黒田記念館前

11日 金曜日(2025-192)

fragments of ordinary

12日 土曜日(2025-193)

図書館、期日前投票

えっ

 図書館の建物では13日からだったので、仕方なく区役所へ向かう。

13日 日曜日(2025-194)

 エクストラのお仕事。

カナブン

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