はせる

は・せる、馳せる

念を送る

 神田駅で山手線から中央線に乗り換え、座席に座る。今朝はやや空いていた。隣も目の前も空席……と、私の視界の中に虫がいた。目の前の座席の下に少し大きめの蛾。羽は傷ついていて、座ったまま暫く観察しても動かないので、もしかしたら死んでいるかもしれない。かわいそうに、こんなところで……と思っていると御茶ノ水駅に着いた。総武線からの乗り換えで人が乗り込んでくる。当然、目の前の座席にも座る。男性。蛾の存在には気づいていない。踏むなよ、踏むなよ……と念を送る。少し足が当たったように見えたけど、蛾は動かない。やっぱり死んでいるんだろうか。と、いうところで四ツ谷駅。「そこ、蛾がいますよ」と言えるわけもなく下車する。

 もしカブトムシやクワガタムシのような飼育することができる虫がいたのであれば、気づいたときに突いてみたりして生存確認をしていたと思う。生きていれば外に連れ出すこともできた(ブランクがあると躊躇するものだけど、最近、息子のおかげで再び虫を触れるようになってきた)。生存確認をしなかったのは、綺麗な蛾は存在するけど、それでも飼ってみたいとまでは思わないので、たぶんその違いだったのかも。ただ、生きていたとしたら申し訳ないことをした、と今は思っている。

アプローチホール

 ビルの1階アプローチホール(このビルではそう呼んでいるようだ)に大きめのソファ2つとサイドテーブルが2組、イスとテーブルが4組、背もたれのないソファが用意されている。今日はいろいろと用事があったのでカフェには行かず、丁度空いていた大きめのソファに腰を下ろす。周りを見渡すと時間潰しっぽいサラリーマンや、テーブルで食事をしているOLさんなどがいる。私の方を気にする人はいない。隣のソファには60代ぐらいの男性。サイドテーブルにメモやら水筒やらを散乱させ、背もたれに寄りかかって目を閉じている(眠っている?)。メモを盗み見られたりしてもいいのだろうか、と思いつつ、サイドテーブルが共用なので空いているスペースに私の飲み物を置く。男性が動く。盗み見する気はありませんよー、という念を出しつつ、サイドテーブルの荷物を少し寄せてくれるかな、と思ったりしたけど、全くそんなことはなかった。まあ、こちらには飲み物以上にサイトデーブルに広げるべき荷物は持ち合わせていない。本を取り出して1時間弱過ごす。私が席を立つまで、隣のソファの男性は再び眠りについたようで動くことはなかった。

コーヒーを香りながら

 数年前までコーヒーはそんなに飲まなかった。コーヒーの味が嫌いとかではなく、香りはむしろ好きなんだけど、飲むとよくお腹を下していたので(おかわりすると確実だった)、ほとんど飲むことがなかった。今は、ホットはブラックで、アイスならカフェラテで、1日に2杯ぐらいは飲んでいる。お腹を下していた頃の自分からしたら、こんなに飲めるようになっているとは思っていないだろう。

 切っ掛けはお昼休みの過ごし方だった。前にも書いたけど、回転の早いお店だとゆっくりと本を読んで時間を過ごすことができない。なのでコーヒーショップや喫茶店に入る。そしてなにを注文するかというと、その場に相応しくあるためにコーヒーを注文する。オレンジジュースでもいいかな、とは思うけど、喫茶店、本を読む、ならコーヒー。という私個人の謎理論によるものだ。本を読む以外にも、周りに座っている人々をこっそり観察したりもするので、逆に観察されている場合もあるだろう。「その場に相応しくあるために」というのは、そういうこと。

手で書く

 EvernoteやNotionなど、デジタルのノートも積極的に使用しているけど、手書きのメモも欠かせない(久しぶりに手書きすると字が下手くそになっていることに驚く)。キーボードを叩くのもいいけど、脳から手指に指示を出して、紙にアウトプットする。思考の過程を紙に残せば、過去の思考に触れる機会が、デジタルとはちょっと違うことがいい。デジタルを貶めるつもりはなくて、できれば紙のメモもデジタルのものも同じ内容が残っていればいいのに、と思う。

 ほぼ日手帳の2021年バージョンが既に発表されている。当然全部チェック済みで、今年はカバーの購入はしないし、中身の手帳についても、今年は珍しく定まっている。
 今年用の手帳は勢いをつけてカズンに移行した(これまでオリジナルだったのでカバーも併せて購入した)。購入してすぐあとに、1日1ページに固定しないけど「月間カレンダー」や「日々の言葉」など私が個人的に欲しいと思っている機能がついた「day-free」が登場した。1日1ページというのは、なにも書かなかったときに精神的な負債として徐々に積み重なっていくので、「day-free」こそが最適解のような気がするのだ。

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